自然製茶法

自然製法茶について

2019年より取り組み始めた「自然製法茶」。
少しずつ栽培茶園を広げてまいりましたが、農薬・化学肥料を使わないため収穫量は少ないです。
何より大切にしていることは、自然栽培だからこそできる、天然自然のやさしい、おいしさをどう表現できるかです。
どんなに厳しい条件でお茶づくりをしても、おいしくなければ意味がありません。
「おいしさ」を第一に、おすすめしたい新しいジャンルのお茶です。

自然製法茶の茶畑

私たちの自然製法茶について

自然に起きることをすべて受け入れてみることにしました

昔から農作物には、地域ごとに先人の知恵と経験を受け継いで自然に対応しながら行われていました。
いつしか技術の進歩により あらゆるものは集約化され、情報も一律化され、密度と安定が得られたことは、間違いありません。
その過程で不利益な部分を抑制して今に至っている部分があります。害虫や病気に邪魔させないように薬で抑え、栄養価の高いものを施して味を変化させることも可能です。
しかし、この一方方向の考えで失っているものがあるように思いました。
お茶の木が自然(環境)に順応しようとする姿を邪魔しないことだけを考えて お茶を作ってみたらどんな姿を見せてくれるのか、やってみることにしました。
渋くなるのか、甘くなるのか、枯れてしまうのではないかと最初は不安でたまりませんでしたが、多くの方々の励ましで続いて参りました。

製茶風景

お茶の木が傾く(かぶく)

自然製法茶の茶畑

数年経過すると、害虫が発生しても全滅することもなく、茶の木自身が順応してきている姿を感じられるようになりました。今では毎年春には少量ながらもでこぼことした 不揃いな新芽が芽吹いてくるのが おかしくてたまりません。

色も形もバラバラ

茶葉は収穫したら、その日のうちに蒸したり、炒ったり、殺青作業をしますが自然製法は、おとなしい茶葉もあれば、主張の強い茶葉もあり、加工中に香りや硬さで訴えてきます。
製造においても それらを受け入れて個性を失わないように茶葉を揉んでいきます。
不思議なもので自然製法茶は、春の新茶の頃と貯蔵期間を経て秋冬で味わいが変わってきます。
丸くなるというか、整うというのでしょうか。待つことも楽しみのひとつです。

毎年、味も形も変わってごめんなさい

早かった春や暑すぎた夏など、変動の大きい昨今ですが、1年間の茶畑(自然)の履歴が詰まったお茶を飲みながら、四季を感じていただけたら幸いです。

これからも自然に素直に 人に優しいお茶を作ってまいります。